2020年2月20日 11:00
『パラサイト』抉る韓国の格差「半地下と遊ぶな」と教育も
家賃は一般的なアパートの半額で約3万〜5万円程度。キム家のように収入の少ない家庭や若者、年金のみを頼りに生活する高齢者などが住んでいるという。
いっぽう、劇中でパク家が住んでいたのは庭が広く、浴室もテレビつきという“高台の大豪邸” 。
キム家のような貧困層と、パク家のような富裕層の格差について、韓国が抱える問題を踏まえながら、ジャーナリストで『コリア・レポート』編集長の辺真一(ピョン・ジンイル)さんはこう語る。
「韓国で、貧しい家庭に生まれた子どもが“成りあがる”というケースはめったにないのです。というのも、高収入を得るため一流企業に入社するには、名門大学に入らなければいけない。名門大学に入るためには、いい高校に……と、幼少期から塾通いをしたり、いい家庭教師をつけたりと、膨大な教育費が長期間にわたってかかってきます。そうなると、金持ちにあらずして一流大学、一流企業に入ることはできない。
つまり、“親がダメだったら子もダメになる”という連鎖がどんどん広がっていくのです」
そして、半地下に生まれた家庭の子どもは、富裕層の子どもと遊ぶことすら許されないという現状も……。
「韓国ドラマではよく『賃貸アパートの子どもと遊ぶな』という表現が見られます。