くらし情報『45歳で再デビューした歌手・クミコ 松本隆の存在感明かす』

2020年3月19日 06:00

45歳で再デビューした歌手・クミコ 松本隆の存在感明かす

当時のアドバイスで印象的な言葉がある。それは「クミコさん、人は売れようと思わないと売れないよ」というもの。

「私が売れることにあまり関心を持っていないのを松本さんは見抜いて、業を煮やしたんでしょうね。『よい神社があるから』と、ヒットのご祈願に連れていっていただいたりもしました」

クミコは、26歳で夭逝した松本の実妹とほぼ同年齢。

「作品に死の世界が投影されるのは妹さんへの思いなのでしょうね。それを私のアルバムにも込めているのかもしれません」

それから17年、「いつかまたもう1枚やろう」と約束していた松本が全作詞を担当。つんく♂や村松崇継といった気鋭のソングライターたちが曲をつける企画が実現した。それがアルバム『デラシネ deracine』だ。


「あえて松本さんが組んだことのないアーティストにばかり依頼した作品で、『まさかこの方が作ってくれるとは』という驚きがありました。松本隆さんの詞に、若い才能のある方の曲がついて私が表現できるなんてラッキーでした」

たまに食事に行き、とりとめのない話をするが、会話はタメ口。

「まったく大御所風ではなく偉ぶらない人なので、最初からそうなっちゃっているんです。

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