2020年6月5日 15:50
荻原博子がアドバイスする「コロナ禍における住宅ローン返済」
■毎月の返済額を減らして、返済期間を延ばす
住宅ローンの返済期間は35年が最長と思っていませんか。返せない状況では、返済期間をさらに延ばして、その分、毎月の返済額を減らすことができます。住宅金融支援機構では、一定の条件を満たせば、フラット35などの返済期間を最長15年延長できます。
では、例をあげて見てみましょう。Aさん(40歳)は10年前、2,000万円を金利2%、35年ローンで借りました。ボーナス払いはナシで、毎月の返済額は6万6,252円です(住宅金融支援機構フラット35〈ボーナス払いナシ・元利均等方式〉で試算)。
これまで10年間の返済は順調でしたが、コロナ禍で収入が激減。銀行で相談したら、返済期間の10年延長が提案されました。
返済期間が延び、返済回数が増えると、1回あたりの返済額は減ります。Aさんの返済額は11年目以降、月5万1,776円に。見直し前と比べると毎月約1万5,000円、返済額を減らすことができました。
銀行と相談してコロナ禍の急場をしのぎ、毎月の負担も減って一件落着、とは終わりません。返済期間が10年延びていますので、総返済額は約187万円増えていますから、家計が落ち着いたら、再度の見直しが必要です。