くらし情報『「検査は1日15人まで」介護施設直面したコロナ集団感染の矛盾』

2020年6月10日 06:00

「検査は1日15人まで」介護施設直面したコロナ集団感染の矛盾

「厚労省の専門家の方が『あと2週間、再開を延ばしましょう』というんです。理由を聞いたら『社会的インパクトです』と……」

科学的な根拠のない話だが、この要請にも従わざるをえなかった。結局、業務を再開できたのは4月9日。休業から1カ月後だった。

「このときには、再開の遅れと風評被害によって、施設への不安が増幅してしまっていました」

ちなみ、グリーンアルス伊丹は、厚労省のクラスター班や保健所から初期対応を評価されている。“長らく感染者を出し続けた”という風評は続いているが、全員で知恵を絞って前に進んでいる。

訪問介護の現場でも混乱は広がっている。障がい者の介護に特化した訪問介護「でぃぐにてぃ」(東京都)代表の吉田真一さんはこう語る。


「職員はだいぶ疲弊しています。事務所は以前のような明るさがなくて……。昔はケアに出かけるとき、元気に『行ってきます!』とあいさつしていたのに、いまはぐったりした様子なんです。感染リスクと隣り合わせであるというストレスのためですね」

職員の精神的負担は大きい。

「4月は毎週のように、2〜3件は発熱のある利用者さんがいました。微熱状態が続いた利用者さんに肺炎症状が出ると、濃厚接触した職員は休まざるをえません」

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