2020年6月10日 06:00
「検査は1日15人まで」介護施設直面したコロナ集団感染の矛盾
施設から感染者は出なかったが、利用控えは深刻で、4月は15〜20%、5月は25%の減収。このままの状態が続くと、半年後には倒産する計算になるという。
「利用者さんからの『こんなときに来てくれてありがとう』『つかれたでしょう。ちょっとお茶でも飲んでいって』という言葉を励みに、なんとか頑張っています」
訪問介護事業を行う「ケアネットワーク」(東京都)代表の関口和幸さんもこう話す。
「700万円あった1カ月の収入が、4月は200万円に。それでもうちはマシなほうです。それなのに、政府は介護従事者には危険手当などをつけません。看護師でさえ、1日にわずか300円程度ですから、あまりにもばかにしています」
コロナ禍によって、表面化した経営基盤の脆弱さをみて、介護業界の行く末に、不安を抱かずにはいられないという。
「ヘルパーなど、介護資格を取得するにはお金がかかるうえ、賃金は安い。安定して働ける制度を国が構築しないと、人材が激減し、適切な介護サービスを受けられない人が続出するでしょう」
通所介護や訪問介護が止まることで、利用者に与える影響も懸念されている。
通所介護や特別養護老人ホームなどを展開する「くだまつ平成会」