2020年8月3日 21:49
安倍首相も脱アベノマスク…政府統計からも配布の意味に疑問符
さらに、アイリスオーヤマやシャープなど、業種を問わず、さまざまな会社が国産マスクの生産に着手。6月の輸入量は5月と比べて半減していることから、日本国内で不織布マスクが供給過多に陥っている可能性もうかがえる。どうやら、マスクの供給量の回復と価格の低下の主要因は、ここにありそうだ。
もちろん、アベノマスクの全戸配布が決まった段階で、不織布マスクの輸入がいつごろ回復するかの見通しは立っていなかった。しかし、アベノマスクの本格配布が始まるよりも前に、輸入量は大きく回復しており、今後の供給量の回復の見込みは立っていたはずだ。その時点で、可能な分をキャンセルしたり、全戸配布を取りやめたりと、方針転換するという選択肢もあった。
現に、政府は介護施設に約8,000万枚のアベノマスクを追加配布する予定だったが、多くの批判を受けて、7月31日に撤回。一律配布を止めて、希望する施設にだけ配り、残りは備蓄用に回すと決定している。
「アベノマスクの配布で、在庫が放出され値段も下がった」
政府のそんな言い分は統計からでも怪しいことがわかる。安倍首相が着けるのを止めてしまえば、見る機会がなくなり、存在を忘れてしまいそうなアベノマスクだが、巨額の税金を投じたこの事業に意味があったのかを、検証することは忘れてはいけない。
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