2020年8月27日 15:50
埼玉県ケアラー条例立役者語る「介護する人にも支援の手を」
認知症の人を介護している人にいたっては7割にのぼった。
家族介護に依存しない“介護の社会化”を掲げた介護保険制度がスタートして20年たつが、日本では、家族による介護殺人や心中事件は2週に1件の頻度で起きている。また介護離職者は年間約10万人いるが、その8割弱が女性だ。
堀越さん自身、同居する実母の食事介助やオムツ交換などの介護をしてきた経験があり、ケアラーを支える大切さをこう語る。
「介護がいつ終わるかは見通しが立ちにくく、ケアラーはそれを考えること自体に罪悪感を持ってしまうことも。また『家族だから介護するのが当たり前』という無言のプレッシャーから、自分のことは後回しになり、体調を崩したり、仕事を辞めてしまうケースも後を絶ちません。悪循環を断ち切ることが重要です」
現在、議論が進んでいる「ケアラー支援条例」では、どのようなサポートが行われるのだろうか。
今回の条例の有識者会議のメンバーでもある「認知症の人と家族の会」副代表理事の花俣ふみ代さんが語る。
彼女自身も、姑の在宅介護を7年間したあと、実母の遠距離介護を5年間した経験がある。
「支援策として、1人で抱え込んでいる介護者にとって駆け込み寺のようなところを設置して、介護者が『がんばらなくてもいい』と言ってもらえる空間をつくることが需要だと考えています」