くらし情報『元会員・上野千鶴子さん「日本学術会議の原動力は“使命感”です」』

2020年10月21日 11:00

元会員・上野千鶴子さん「日本学術会議の原動力は“使命感”です」

過去には、学術における男女共同参画の実態調査のために大量の統計調査を実施しなければならないことがあったが、日本学術会議から出た予算はゼロ。科研費の研究と抱き合わせたり、自分の大学の研究費から捻出したりして苦労したという。担当した研究者への報酬はなく、みなボランティアで報告書をまとめた。もちろん、日本学術会議で働いたからといって、年金が出るということもない。

「こうして膨大な時間を要してまとめたものは、すべて分科会、研究会の名前で提出されますから、自分の業績リストに載せることができません。つまり、出世を考えるなら、自分の研究論文を出した方がいい。多くの会員は、お金ではなく“使命感”で仕事をしています。批判的な意見をおっしゃる方々は、会員になられた学者たちが、どのような仕事をされているのかをご存じないのでしょう」

守旧的な団体と思われがちだが、日本学術会議は時代の変化にも柔軟に対応してきた。


「2005年に会員の選抜方式を、学会が会員を推薦する方式から、会員が会員を推薦する方式に変えました。その結果、女性会員の比率は6.2%から20%にまで急増しました。現在の女性会員の比率は30%を超えています」

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