2020年10月29日 15:50
ノンスタ井上語る『鬼滅の刃』「炭治郎の葛藤が作品に深みを」
さらに、ほかのアニメ映画が見られない状況で、アニメファンの“アニメを映画館で見たい”という思いが爆発したことなど、いろんな要因がヒットの後押しになったんだと思います」
とはいえ、「作品が持つ力がいちばんのヒットの理由」と断言する井上。作品の魅力を聞いてみよう。
■主人公の葛藤が作品に深みを与えた
前出のとおり、映画は『少年ジャンプ』で連載されていた漫画を原作としている。連載開始直後は、井上はあまり期待していなかったという。『ジャンプ』には人気順に漫画が掲載されるが、連載開始直後は雑誌の“後ろのほう”が定位置だった。
「ジャンプで始まったころは、『打ち切りになるかも』という感じでした。でも、鬼を倒すための集団である鬼殺隊に竈門炭治郎が入り、キャラクターが増えてきたところから、グッと面白くなった」
回を追うごとに掲載順も上がり、『ジャンプ』の看板漫画に……。
「炭治郎は鬼殺隊という鬼を殺す集団にいながら、鬼になってしまった妹を守らなければならない。
つまり、炭治郎は鬼殺隊の仲間と鬼の中間に立っているという構図ができました。だから鬼を倒した後でも、炭治郎からは本当はその鬼も救いたかったという気持ちが消えない。