2020年12月18日 15:50
GUは半数以上が2500円以下に…デフレスパイラル加速の懸念
デパートの衣料品は消費税増税などによる低迷にコロナ禍が加わり、13カ月連続で前年同月より売り上げを落としています(’20年11月・百貨店協会)。いっぽう、GUは、アパレル業界のなかでは売り上げ好調です。
いまでも安いGUが値下げを敢行すれば、さらにGU人気が高まるでしょう。GUは縫製工場の集約などでコストを削減し、価格を下げても利益は減らない目算があるのだと思います。
ですが、業界に与える影響は甚大です。経営状態の厳しい他社も、商品を売るためには利益を極限まで抑え値下げするしかないでしょう。持ちこたえられず、倒産する企業も出てくるのではと心配です。
景気に敏感な業種の経営者などに聞いた「景気ウォッチャー調査」では、現状の景気も2〜3カ月先も、前月の判断より悪化しています。
コロナの収束が見えず「この先もっと不景気になる」という不安が蔓延していますから、消費は冷え込んでいくでしょう。
そうなるとますます、店側は商品を値下げし、消費者はできるだけ安いものを買うようになります。値下げ競争に拍車がかかり、モノの値段が下がって、一見、生活は楽になるように思います。ですが、企業が儲からなくなると、従業員の給料を減らし、私たちの生活が苦しくなる。