2020年12月26日 06:00
認知症になった蛭子さん「人生最後のボートレース」に密着!
ぼそっと口にした。同席した蛭子さんのマネージャーも、その発言に衝撃を受けていた。
そんな蛭子さんに少しでも元気になってもらおうと「ボートレース平和島」に誘ってみた。ギャンブラーとして蛭子さんの最後を見届けるつもりで……。
「ボートレース平和島」では、「スペシャルグレード第35回グランプリ」が開催されていた。今年の賞金王を決めるボートレースの最高峰。最後の戦いに挑む蛭子さんにとっては最高の舞台だ。
ボートレース人生53年間の集大成──。
この日の蛭子さんはいつもと違っていた。
その日、初めて臨んだ4レースで、1万8千630円の万舟(100円の舟券が1万8千630円!競馬で言う万馬券)をいきなり当ててみせた。
蛭子さんが購入した舟券は〈1256〉のボックス。ボックスとは複数の艇の、全ての組み合わせを買う方法。6隻のモーターボートが走行するレースで1〜3着に、1、2、5、6号艇が入ることを蛭子さんは予想して、見事に当てたのだ。「やっぱりモーターボートのエンジン音はいいですね」
そう語る蛭子さんは、舟券の購入額を差し引いた1万5千900円を手にして、少し寂しげに笑った。
半世紀以上、ボートレースをしている蛭子さん。