2021年1月14日 06:00
年金だけなら1680万円不足…介護付き老人ホーム“本当の負担”
年金だけではまかなえないことが多いのです」
介護付き有料老人ホームの場合、はたして年金だけではどれくらい不足するのだろうか。前出の齋藤さんにシミュレーションしてもらった。
「地方都市に住む、会社員だった父親の遺族厚生年金で生活する母親が、80歳で施設を利用開始した場合で試算しました。要介護度の上昇に関しても、聞取り調査のうえ、一般的なケースを想定しています」
死亡する年齢は92歳(93歳の誕生日の前日)で計算した。
「’19年7月に発表された厚労省の簡易生命表によると、女性の平均寿命は87.45歳ですが、じつはもっとも多くの人が亡くなる年齢は92歳です。仮に80歳で高齢者施設に入所しても、残りの人生は13年近くになるのですね。また、受け取る遺族厚生年金額に関しては、厚生労働省の『平成30年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』の80歳の平均年金月額から試算し、12万8,000円としました」(寺門さん)
その収支は次のとおり。
要支援2のAさんは80歳を機に、介護付き有料老人ホームに入所した(※介護付き有料老人ホーム入居者の31.9%は自立〜要支援2の人)。
6年間、状態を維持したが、86歳で要介護1に。