2021年3月4日 11:00
生き返らせてよ 大杉漣さんが“最後の映画”で語っていた約束
大杉さんが亡くなった後、息子で写真家の大杉隼平さん(38)は坪川さんにこう明かしたという。
「亡くなる少し前に一緒にごはんを食べたときも室蘭の話をしてくれました。だから、本当に撮影が楽しかったんだと思いますよ」
室蘭での撮影を思い続けていた大杉さん。実は、坪川さんは“ある約束”を交わしていたという。
「漣さんは作中、生死をさまよう役柄を演じていました。しかし室蘭を離れるときに『おそらく死んでしまう役だろうね。でも、また室蘭に来たい。だから生き返らせてよ』と言ってきたんです。
僕は『じゃあ生き返らせます』と約束して。それでエピローグの章を書き足すことになりました。
脚本ができてから漣さんに『生き返らせました』とメールしたら、『おお、生き返ったか!』とうれしそうで。それが亡くなる半年くらい前のことでした。漣さん側はスケジュール調整もしてくれていたのですが、『2日続けて室蘭に滞在するのは難しいかも』と悩んでいて。そんなやり取りをしている間に亡くなってしまったんです。訃報を知って愕然としました」
■夢の中に現れた漣さんは脚本を読んでいた
同作は、大杉さんが亡くなった8カ月後となる’18年10月に撮影終了。