2021年3月20日 06:00
“うたのおねえさん”茂森あゆみが感じた「松田聖子の歌唱力」
「『東京に進学だ!』と熊本を離れましたが、寮があったのは埼玉県入間市で、地元よりも田舎(笑)。クラシック漬けの日々で、唯一、音楽から離れられるのは、土、日に個人レッスンへ行くときの乗り換え駅だった池袋や渋谷を歩くとき。109の地下にあった『ソニープラザ(現PLAZA)』で、リップクリームを買うだけで大満足でした」
後に首席で卒業する音大在学中に『おかあさんといっしょ』のうたのおねえさんに就任。『たんご3兄弟』で紅白歌合戦に出場したときは、憧れの松田聖子と同じ舞台に立つことができた。
「現場には知り合いのNHKの裏方さんがたくさんいて、リハーサルのときにふらっと聖子さんに近づこうとする私をみて『あゆみ!そっちじゃないだろう』と止められたりしました(笑)」
昨年、プロの歌手(人間)とAI(人工知能)が『赤いスイートピー』の歌唱勝負をするテレビ番組で審査員を務め、あらためて同曲の難しさ、そして歌うことの素晴らしさを感じたそう。
「“人間代表”として歌った純烈さんも、やはり『この曲は難しい』と。サビのロングブレスできつくなるのですが、AIは難なく歌えてしまう。逆に言えば、きついと感じながら歌う声は、生身の人間でなければ出せない“歌の表情”となるのです」