2021年4月5日 11:00
水沢アキ歩むスタジオオーナーの道「夢を応援できるのが嬉しい」
そもそも、息子としっかりコミュニケーションがとれてなかった私のまいた種です」
テレビなど芸能の仕事が急減したとき持ち掛けられたのが、ダンススタジオの経営権を譲りたい、という話だった。
「60歳目前でした。還暦を迎えたら新しいことをしたい、そんなことを考えていたときで。じつは私、中学生のころからクラシックバレエやジャズダンスをやっていて。そのスタジオでも、40代からダンスを習っていたんです。私以外にも生徒は大勢いましたし『発表会やると儲かる』なんて聞かされて、それで15年に、多額のお金で経営権を買ったんです」
ところが、ふたを開けてみれば、ダンススタジオは大赤字。68人ものスタッフを抱え、人件費だけでも毎月たいへんな支出だった。
「そのうえ、儲かるはずの発表会のチケット代を持ち逃げされたり、経費を使い込まれたり。
もう地獄のような日々でした」
それまで経営などとは無縁だった水沢さん。知り合いの社長に帳簿を見てもらうと「明日にでも潰すべき」と助言されたという。
「でも、ここでやめたら投資額が全部、無駄になっちゃうと思って。何か違うことができないか必死になって考えて。それで始めたのが、いまの1時間いくらでスペースを貸すレンタルスタジオ。