「5年同じ職場」なら会社はもう雇い止めできないってほんと?
ただし、5年を超えて働いていれば自動で無期契約になるというわけではなく、労働者からの申し出が必要です」
無期契約になることで、半年や1年ごとなどの契約期間終了によって、辞めさせられる不安から解放されるという。
「さらに、『次の契約を更新しない』と言われる怖さから、ハラスメントを受けても何も言えない、無理なシフトでも受け入れなければいけない、という有期労働者は多くいます。契約打ち切りの不安がなくなることで、当たり前の権利の主張もしやすくなるのです」
また、会社によっては無期転換をきっかけに、労働条件の見直しが行われる場合があるという。働く主婦の声を多く聞いてきたワークスタイル研究家の川上敬太郎さんはこう語る。
「無期転換をしたことで『正社員と同じ福利厚生を受けられるようになった』という人もいます」
たとえば大同生命保険株式会社では、無期転換後は、再雇用制度、賞与の増額などが適用される。株式会社高島屋では、無期転換した社員を対象に、傷病休職制度や再雇用制度などを導入し、労働環境の向上を図っている。「一方、勤務条件が変わったことで、仕事量が増えてしまった等の声があるのも事実。無期転換後の労働条件が変わる場合、事前に職場から説明がなされますから、その内容はしっかりと確認を」