2021年5月20日 15:50
坂本龍一が始めた「死後もライブ」計画 世界初のMR導入へ
これは外部から演奏させることができるだけでなく、弾いた演奏データを記録できるんです。つまり教授がそれを演奏すれば、後で弾いたとおりの演奏が生演奏として再現できるのです」
坂本は’90年代からMIDIピアノをライブで使っているという。
「今回は、そこにモーション・キャプチャを合わせ技で使ったということです。羽生選手が使ったように、スケートのジャンプも記録できますし、ピアノの演奏であれば、指の動きも記録できます。MIDIピアノと合体すれば、演奏だけでなく記録された指の動きや体の動きと合わせて映像で立体的に再現できます。MIDIピアノに3D映像を重ねれば、教授が実際にピアノを演奏しているような状態になります。
コンサート会場で観客がゴーグルをしてステージを見れば、音はその会場での生演奏と同じで、教授がそこで演奏している本物のライブと同じように見えるのです。MRでは、本当のライブそのものを再現できるのです」(藤本氏)
MRに取り組んでいるほかのミュージシャンはいるのだろうか。
「教授以外には今のところ海外でも聞いたことがないです。後世に残す、後々の財産になると考えたのかもしれませんね」