2021年8月16日 06:00
西村知美語る伝説のマイケル来日公演「最前列には松田聖子が」
「すぐに上京することになり、山口に帰るのは定期テストのときくらいという生活に。親は反対する暇もなかったほどでした」
中学の卒業を待ち、何もわからないままデビューを果たすことになった西村さん。
「初めてのお仕事は『ドン松五郎の生活』(’86年)という映画の主演。主題歌も歌ったんですが、演技も歌も未経験だから、すごく下手で。監督から『君は女優と歌手、どちらをやりたいの?』と聞かれても、『わかりません。事務所に聞いてください』としか答えられませんでした」
それまでテレビの中でしか見たことがなかったアイドルたちと一緒に仕事をするのも驚きだった。
「テレビの特番でハワイロケに行ったとき、クルーザーで船酔いしてしまったんです。すると、田原俊彦さんが『大丈夫?』って。
『何か食べないと』って小泉今日子さんはリンゴをむいてくれるし、中森明菜さんには足をさすってもらえて、夢のような体験でした」
とはいえふだんは、右も左もわからないまま、与えられた仕事を懸命にこなし、プライベートな時間などない毎日。世の中の流行からも取り残されそうだった。
「『クイズ・ドレミファドン!』(’76〜’88年・フジテレビ系)