2022年1月6日 11:00
夫のモラハラに悩む人へ…籍は入れたまま別居する“卒婚”のすすめ
「人生の後半戦を充実させるため、『卒婚』を選択する夫婦は増えています。この形態は『いいとこどり』といえそうです」
こう話すのは約3万件の夫婦の問題に向き合ってきた離婚コンサルタントの池内ひろ美さん(59)。
「卒婚」とは、離婚せずに夫婦関係を卒業すること。同居するケースもあるが、多くは別居しお互いに束縛や干渉し合うことなく生きる、新たな選択である。池内さんは「卒婚」のメリットをこう解説する。
「離婚するには財産分与の問題や、お互いの両親や周囲への報告をどうするか、決めるべきことが多々あり、エネルギーと覚悟が必要です。一方、『卒婚』であるなら束縛や干渉からは解放され、不動産や預貯金、死亡保険金などの相続権は担保されるのですから、生活力のない側には有利といえます」(池内さん・以下同)
■「卒婚」は孫育てからの解放が生んだ新たな夫婦の形
「卒婚」という形態が生まれた背景には、昨今の少子化が影響していると池内さんは指摘する。
「いま『卒婚』を考え始める50代は、かつては孫が生まれ祖父母の役割が始まる年代でした。
必然的に夫婦が協力して孫の世話を担うため、別れることを考えるタイミングがなかったのです」