2021年12月25日 06:00
愛子さま“皇族としての自覚”育んだ「蚕飼育10年」と「平和の作文」
そこで、原爆被害の甚大さ、悲惨さに衝撃を受け、怒りと悲しみを覚えたという。
《日常の生活の一つひとつ、他の人からの親切一つひとつに感謝し、他の人を思いやるところから「平和」は始まるのではないだろうか。そして、唯一の被爆国に生まれた私たち日本人は、自分の目で見て、感じたことを世界に広く発信していく必要があると思う。「平和」は人任せにするのではなく、一人ひとりの思いや責任ある行動で築きあげていくものだから》
両陛下は愛子さまに「感謝と思いやりを大切に」と、言い聞かせてこられた。その“感謝と思いやり”は、この作文のキーワードにもなっている。
「愛子さまは、その言葉が皇族としての心がけにとどまらず、平和の礎でもあると、ご自身の思索の中で気がつかれたのです」(宮内庁関係者)
■「家族から社会を知る」両陛下の子育てにあった信念
令和への御代替わりが近づくにつれ、雅子さまの体調は適応障害の療養を続けるなかで上向いていった。そして皇后となられてから、通訳なしで海外の要人や王族をもてなされるお姿に、国内外から注目が集まった。
ただ、完全に復調されたわけではなく、十二単などの装束で長時間にわたる儀式に臨まれるのは大きな負担であったはずだ。