2021年12月27日 15:50
中学2年で全日本カート選手権優勝 堂園さん親子の二人三脚
いっぽう、息子も練習中の事故で足を骨折するという経験もした。そんな、苦労を重ねながら、鷲くんはカートレーサーとしてみるみる成長。小学校に上るころには上級生たちを相手に、何度もレースを制するようになった。そして小6。全日本カート選手権のジュニア部門でチャンピオンになり、モータースポーツの本場、ヨーロッパでの武者修行にも打って出た。そして今年。先述したように、ついにシニア部門でシリーズ王者に。
「レースで結果が出なかったりする時期は、毎日のトレーニングも嫌になって、もう辞めたい、って思うこともあったけど。
それでも続けてきたのは、やっぱりカートが好きだから。それに僕にはこれしかないから。レースで生きていくんだって覚悟してるので」
ここまで明確に、自分の将来を思い描ける中学生も珍しいのではないか。年間30戦近いレースと日々のトレーニングに忙しい鷲くんは、同級生と遊びに出かける時間もほとんどない。家計は多額の出費がかさむカートが最優先だから、皆が持っているゲーム機を買ってもらうことなど、夢のまた夢だ。
「でも、自由に楽しそうにしてる友だちのことを、羨ましいとは思いません。将来の目標がはっきり決まっているほうが、自分は毎日、頑張ることもできるから」