母娘でNo.1運送ドライバーの夢 女性比率2%台の“トラガール”
■「ドラコン」へのチャレンジは中小企業の意地
16年春、石原さんが岡山スイキュウに入社すると、すぐに新人教育で運転技術のチェックを受けた。このときの教官だった増田監督は石原さんの運転を見て、そのセンスのよさを一目で見抜き、思った。
「彼女を、なんとしてでもドラコンチームに引き入れなければ」
「ドラコン!?なんじゃそれ?」
増田監督に、プロジェクトチーム入りを誘われたときの、石原さんの第一声だった。
「ドライバー・コンテストの存在すら知らなかったんです。説明を聞いても、正直、乗り気にはなれませんでした。運転は大好きで、少しは自信もありましたが(笑)、育ち盛りの子も3人おって、なんで、わざわざ仕事以外のことに時間を使わなきゃいけないんかと」
しかし、増田監督も簡単に引き下がるわけにはいかなかった。
「石原さんは、ハンドルを切る角度も細やかで、まさに車と一体になって運転しており、優勝も夢じゃないと確信しました。チーム監督として、私がいつも胸に秘めていたのは、
『打倒A社、打倒B社』という、いつか大手を打ち負かすぞとの思いです。
悔しいじゃないですか。規模や環境では劣っていても、ドライバー個々の技能は引けを取らないわけですから。