2022年5月25日 19:06
「震災で愛犬と奇跡の再会」描いたアニメ 飼い主演じた俳優が語る故郷・福島への想い
震災直後に福島から私の近所にある体育館に逃れて来た方もたくさんいらして、私に何かできることはないかと思って足を運んだのですが、目の前で泣いているおばあさんや、茫然としている女性を見ていて、僕にできることなんて、何もないんです。あの時の無力感といったら……」
福島県は津波による被害だけでなく、放射能による被害も甚大だった。さまざまな問題が膨らんでいく故郷を見ながら、何もできないもどかしさを斉藤さんは、以来感じていたのだという。
それから10年が経ち、『とんがり頭のごん太』の声優の依頼が入った。
原発事故で避難した富田一家が、愛犬「ごん太」を連れていけず、離れ離れになってしまう。ペットを救済するボランティアの女性、吉野由紀がごん太を見つけるのだが、健康診断の時にごん太の余命が短いことがわかる。由紀は必至に飼い主を探し、ごん太は奇跡の再会を果たす、というストーリーで、動物の純粋さや混乱の中、運命を惑わされた人たちの物語が描かれている。
「こんなことが本当にあったんだと驚きながらも、犬のごん太から勇気をもらえる筋書きになっています。
『全編福島弁でやってください』と言われたのもとても嬉しかったです。