くらし情報『“場面緘黙症”で話せず不登校…14歳少女が行列店のパティシエに』

2022年5月29日 06:00

“場面緘黙症”で話せず不登校…14歳少女が行列店のパティシエに

千里さんや記者たちが「おはよう」と声をかけるが、みいちゃんはチラと視線を寄越しただけで、もう工房に立っている。

やがて、母と娘が並んでのケーキ作りが始まった。

「今日は仕込みの日で、定番のケーキに加えて、“くまさんのムース”を作ります。このネーミングもレシピも、みずきなんですよ」

そう言いながら、スマホをしきりに見ている千里さん。

「みずきがスマートフォンにレシピを送っておいてくれたので、私はそれを見ながら進めます。さあ、そろそろ、みずきはゼラチンを溶かし始める時間やね」

母の言葉にうなずくように、かすかに頭が動いたように見えたが、やはり言葉はなかった。

みいちゃんが会話をしないのは「場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)」のためだ。不安症の一種で、特定の場所で話すことができなくなる精神疾患。
子供に多く、小学生500人に1人の割合で発症するといわれ、みいちゃんの場合も、家庭以外の学校や外では言葉が出なくなる。さらに特定の動きができなくなる「緘動(かんどう)」が現れることもあり、取材の途中では、みいちゃんが急に冷蔵庫の前で立ち尽くす場面も。しかしすぐに作業に戻って、その後は14歳の人気パティシエの巧みな手さばきを見せてくれた。

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