2022年6月26日 06:00
目が見えない夫婦の子育て 家族でかけあうたくさんの「ありがとう!」
でも、それも、だんだん崩れてきましたね。子どもたち、気が向いたら手伝ってくれますけど。最近は基本的には『私が頑張ればいいのよね』って感じかなぁ」
苦笑しながら家事負担が激増したことを訴える亜矢子さん。いっぽうの誠さんは「自分のスタイルを崩さないほうかも」と自己分析するようなマイペース人間。ときに夫婦の間が険悪になることも。
「そういう夫婦げんかは、障害のあるなし、関係なくありますよ。ただ、私たちの場合は頭にきたからって、しゃべらないというわけにはいかないので」
亜矢子さんの言葉に、誠さんがこう言葉を継いだ。
「それはそうだね。
うちは、言葉をかけ合わないと、生活が回らないから。僕らはどんなときも、夫婦の会話はなくならないよね」
「そうね、怒ってると必要最低限、事務的にはなるけどね。『ほらほら、コーヒー、熱いの通るよ』とかね(笑)」
「あれ、まだ怒ってるなとか、声のトーンで判断したりも(苦笑)」
■目が見えないからこそ「ありがとう」と言ったり言われたりする機会がすごく多い
また、亜矢子さんがどれだけ頑張っても、ときには見えないことが原因で失敗することだってある。
「先日も朝、子どもたちの上履き、それぞれ袋に入れて持たせたんですけど。