アフリカに「医」を届ける医師 内戦スーダンの村人たちとの交流秘話
4年ほど前、激務が続き睡眠時間を削った毎日を送ったため、異型狭心症という病気で、突然、ばたんと倒れてしまったことがあるためだ。
「夢中になると、休みを取らずに無理をしてしまうので、死にかけてしまいました。意識的に休むようにするため、一息ついたら、女房と別府温泉にでも行くつもりです」
そう語る間も、現地と電話連絡をとっている。どこにいても、心はスーダンにある。
「内戦が落ち着けば、スーダンに戻るつもりです。もっと医療を充実させたいし、今後は農業支援にも力を入れたい。日本との貿易がうまくいけば、地域の経済が回り、自立できます。その仕掛けのため、明日からは東京に行って、駐日スーダン大使に相談するんですよ」
マラリアから命を救った女性は、村で一緒に汗をかいたハサンさんは、無事でいるだろうか。
地域を豊かにするために、彼ら民衆に誓う。あなたたちの笑顔にまた会う、と――。
スーダンと日本の架け橋となり、「ロシナンテス」は疾走し続ける。
【後編】スーダン内戦から決死の脱出認定NPO法人「ロシナンテス」理事長・川原尚行(57)へ続く
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