映画館、出演者からは不安も…異例の“宣伝しない宣伝”『君たちはどう生きるか』の賭け
これまで『天空の城ラピュタ』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』といった数々の名作を生み出し、興収面でも特大ヒットを連発してきたジブリと宮崎監督。そんな宮崎監督の10年ぶりの新作、かつ事前の情報もないとくれば観客の期待感は高まるばかりだが、携わる関係者にとってはそうではないようだ。
「“宮崎監督の新作”というネームバリューは、日本の映画業界では最強クラスの効果があることは間違いありません。これまで数々の国民的映画を送り出してきたジブリと宮崎監督だけにファンの数も計り知れないほどいますし、事前情報がなくても見に行く人は多いでしょう。
とはいえ、ここまで一切宣伝をしなかった作品の前例がないのも事実。鈴木プロデューサーも宮崎監督から『宣伝しなくて大丈夫かな?』と心配されたことを明かしていますし、ある出演者も興収面への不安を周囲に漏らしていたといいます。実際、SNS上では、“ジブリの新作が公開されることを知らなかった”という声も目にします。
映画館にとっても同様で、事前の情報がないゆえに一日の上映回数やスクリーンの大きさを決めるのにかなり苦慮したといいます。
作品を見た流れで購入する人が多いパンフレットが後日販売、かつネットでも買えるというのも、劇場の収入面にとっても痛手です」