2018年3月28日 16:00
若竹千佐子さんは執筆で乗り越え…「夫の死」が襲う絶望と病
そう語るのは、埼玉医科大学国際医療センターで、遺族の悲しみに耳を傾ける「遺族外来」を開設している大西秀樹教授(57・精神腫瘍科)。
「核家族化と少子高齢化が進み、以前より人間関係が狭く濃くなっています。それだけに配偶者や家族、親しい人との死別は悲しみが深く、心身にストレスがかかります。その心の傷が消えることはありません。しかし、大切なことは、悲しみと折り合いをつけて、愛する人のいない世界に適応しながら人生を送ることなのです」(大西教授・以下同)
大切な人を失って、悲嘆が深刻化し、無力感で先に進めない人は少なくない。死別後には、うつ病の発症率と自殺率が高まり、心臓病の発症率が上昇するという。
「夫婦仲がいい人ほど、死別のつらさが大きいと考えられていますが、夫婦仲がいい方はもちろん、特段仲がよくなくても、配偶者の死別による悲しみに打ちひしがれて、立ち上がれない人は多いのです」
大西教授は“配偶者の死別による空虚感”について、こうアドバイスする。
「死別の悲しみが消えることはありませんが、人は必ず『成長』をします。