くらし情報『芥川賞作家・若竹千佐子 最愛の夫の死の裏に見出した”自由の喜び”』

2018年4月21日 11:00

芥川賞作家・若竹千佐子 最愛の夫の死の裏に見出した”自由の喜び”

若竹さんいわく「出来事としては、なんもないの、なんにも起こらないんです。ぜーんぶ頭の中だけのこと」。

主な登場人物は桃子さんひとり。頭の中から彼女の本音とも思える東北弁が次々にあふれ出し、本体の桃子さんと、脳内の声たちが、ああでもない、こうでもないと、かしましい議論を交わすのだ。単行本は、すでに50万部を突破。賞の審査員を務めた先輩作家らをうならせ、数多の読者のハートをつかんだ若竹さんのデビュー作は、ミリオンセラーへの道をひた走る。

若竹さんは’54年、桃子さんと同じく、東北は岩手県遠野市で生まれた。本を読むのが大好きだった子ども時代。
図書館のたくさんの本が並ぶ書棚に、自分が書いた本も1冊加えたい。小説家になりたい。それが夢だった。高校卒業後は岩手大学教育学部に進学。

28歳のとき、3歳年上の見合い相手で父親が経営する会社を手伝っていた和美さんと結婚。新婚生活は遠野で始まった。長男を授かったが、若夫婦は故郷での暮らしに息苦しさを覚え、’85年に家族は上京。世はバブル景気。
夫・和美さんが就いた建築関係の仕事は順調で、生活も軌道に乗り、長女も誕生する。

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