2018年6月2日 11:00
異性との関係、育児…女性の人生に潜むアルコールという罠
「子どものころ、自分は将来、アルコールや薬物の依存症になると思っていた人は?」
奈良県橿原市にある女性専用の依存症からの回復支援施設「フラワーガーデン」。アメリカで確立された「治療共同体」の手法を取り入れた日本初の施設で、現在、10~60代までの入居者18人が、共同生活を送りながら回復プログラムに取り組んでいる。
壁も本棚も白で統一された簡素なワークルーム。講師を務める施設代表のオーバーヘイム容子さん(36)の問いかけに、テーブルを囲んだ女性たち全員が、黙ったまま首を横に振った。
「じゃあ、いつ自分は依存症だと思いましたか?」
「アルコール依存と男性依存でホストクラブでメチャ飲んで、体も心も壊して、精神科に入院した24歳のとき」
「薬物で逮捕された35歳」
続いて、今度は容子さん自身の過去が語られた。
「私が初めてお酒を飲んだのは、10歳。その瞬間、幼いころから抱えてきた寂しさから解放されたように感じました」
大きくうなずく女性たち。