2018年6月2日 11:00
異性との関係、育児…女性の人生に潜むアルコールという罠
「私自身は逮捕も入院の経験もないし、いつでもすぐに元の生活に戻れると思ってた。まさか自分が依存症で、正常な飲酒ができないタイプとは考えもしなくて。それを明確に認識したのは、ほんの5年前。つまり、自分は自分をコントロールできない依存症と知り、そのプロセスを知ることが回復への第一歩。大事なのは自分の無力、パワーレスであると認識することです」
口々にパワーレスとつぶやく彼女たちに視線を送りながら、容子さんはこう続ける。
「依存症になりたくてなる人はいません。せっかく依存症である自分を受け入れ、お酒をやめて回復プログラムに入ったんだから、あとは仲間とともにクリーンタイム(断酒期間)を続けていくだけです」
しかし、自らアルコールや薬物依存からの回復者である容子さんこそが、クリーンタイムの継続が生易しいものではないことを、誰よりも知っている。
4月下旬、未成年者への強制わいせつの疑いで書類送検された元TOKIOの山口達也氏(46)の事件を機に、にわかに注目されたのがアルコールへの依存問題だった。
現在、アルコール依存症は全国で109万人、うち女性は約14万人で、予備群まで含めると294万人との厚労省データも。