2018年6月2日 16:00
アルコール依存症からの回復「自分をすきになれてよかった」
奈良県橿原市にある女性専用の依存症からの回復支援施設「フラワーガーデン」。アメリカで確立された「治療共同体」の手法を取り入れた日本初の施設で、現在、10~60代までの入居者18人が、共同生活を送りながら回復プログラムに取り組んでいる。
壁も本棚も白で統一された簡素なワークルーム。講師を務める施設代表のオーバーヘイム容子さん(36)は、テーブルを囲んだ女性たちに視線を送りながらこう語った。
「依存症になりたくてなる人はいません。せっかく依存症である自分を受け入れ、お酒をやめて回復プログラムに入ったんだから、あとは仲間とともにクリーンタイム(断酒期間)を続けていくだけです」
現在、アルコール依存症は全国で109万人、うち女性は約14万人で、予備群まで含めると294万人との厚労省データも。また女性はホルモンの関係で、量も期間も男性の半分で常習者になりやすいとされる。
「現場の実感としても、女性のアルコール依存症は、ギャンブル依存や買い物依存とともに急激に増えています。
夫や恋人との関係、子育て後のむなしさなど、なにかと寂しさに敏感な女性は依存症に陥りやすいのです」