東京芸術劇場「TMT ギア 東京芸術劇場クリエイター支援プロジェクト」始動 岡田利規と山田和樹からのメッセージも
いい回しを用いることなしに考えていくというプロセスを、育成対象者となる人たちと一緒にわたしは経験したい。"国際的なフィールドで活躍する"地力は、その経験のオマケとしてもれなく備わるだろうし、それはその力の備わり方として真っ当なものだろう、とわたしは考えている。
わたしがそう考えるのは、なにより、かつてのわたし自身が少しも"海外志向"ではなかったからだ。だから、そんな人にもこのプロジェクトに奮って応募してほしい。お待ちしています。
■山田和樹(指揮者、次期芸術監督)からのメッセージ

山田和樹(指揮者/東京芸術劇場次期芸術監督)© Zuzanna Specjal
「人はいるが人材がいない」──すべての業界において切実な問題である。
「人材の発掘と育成」を掲げるプロジェクトは多いものの、一体どれだけの効果が上がっているだろうか。つまり、人材というのは何かの路線やマニュアルによって育まれるものとはまた違うということなのだろう。
今回は国がやる気になった。血税を用いる以上、効果を上げなければならないというプレッシャーを感じている。しかし、人材は一体どこに居て、どのように育まれるものなのか、この簡単ではない問いに正面から向き合えることは幸せなことでもある。