2021年6月11日 14:00
高橋悠也×崎山つばさ、『TXT vol.2「ID」』は演者も観客も自分と向き合うことになる舞台
高橋さんは前回の手応えを経て、今回の『ID』はどのような姿勢で臨もうと考えましたか?
高橋悠也(以下、高橋)『SLANG』はちょっと実験的な内容ということもあり、始める前から9割の人は訳が分からないかもしれないけど、残りの1割にすごく刺さる作品になればいいなという、わりと強気な姿勢で作っていた経緯があって、その狙いにはハマったのかなという気がしています。
エンタテインメントというのは分かりやすく、観る人全員が楽しめるものを作るのが大前提ではあるんですけど、観る人によって解釈の異なるものや何度も観ないと分からない作品があってもいいんじゃないかと思い、今回の『ID』も前作同様にちょっと挑戦的な、実験的な作品を作ろうと思って臨んでいます。
――最近映像もあらためて拝見しましたが、当時以上に今という時代にフィットしている内容だと思いました。
高橋当時からYouTubeが流行り出していましたし、それをちょっと形を変えて、夢の中で夢を提供するエンタテインメントみたいなものを描いていましたが、昨今はSNSの流行によって言葉で人を傷つけたり誹謗中傷みたいなことが横行していますし、そういう意味でもこれからの時代において考えるきっかけになればいいなとは思っていました。