名優マイケル・ケインの引退作『2度目のはなればなれ』──過去と向き合う旅【おとなの映画ガイド】

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イギリスのみならず世界で活躍するレジェンド、マイケル・ケインが俳優人生のフィナーレとして選んだ作品、『2度目のはなればなれ』が10月11日(金)に全国公開される。2014年に「ノルマンディー上陸作戦の70年記念式典」が開催された時、世界中で話題となった、ある退役軍人の行動を描いている感動作だ。
『2度目のはなればなれ』
物語の主人公はバーニー・ジョーダン。19歳の時にノルマンディー上陸作戦(Dデイ)で戦った、89歳の退役軍人だ。そのバーニーが「ノルマンディー上陸作戦70年記念式典」を前に、愛妻レネと暮らすケアホームから失踪し、騒ぎとなった。
捜索にあたった警察が、彼はどうやら、こっそりホームを抜け出し、ひとりでフェリーに乗り、ドーバーを越え、式典が行われるノルマンディーを目指したらしいと突き止め、Twitterで戦争映画の名作になぞらえて「#TheGreatEscaper(大脱走者)」とハッシュタグをつけて発信した。それが、“Dデイ70年”の格好のトピックとして、マスコミでも派手に取り上げられ、話題になった。