国宝《唐獅子図屏風》《動植綵絵》もお目見え 『皇室のみやび―受け継ぐ美―』フィナーレとなる第4期が開幕
なお、本作はリニューアルオープン後、同館で初公開。サイズが大きいがゆえに、建て替え前の旧館では展示の機会がなかなか持てなかったという。満を持しての公開だ。
このほかにも、ダイナミックでありながら緻密な作品が並ぶ。1928年の大礼奉祝に際して京都市が献上した高島屋呉服店による《閑庭鳴鶴・九重ノ庭之図刺繍屏風》は、鶴や植物などを見事な刺繍で表した華やかな屏風。並河靖之《七宝四季花鳥図花瓶》は、1900年に開催されたパリ万国博覧会に出品された、漆黒のなかに鮮やかに四季折々の花々が浮かび上がる七宝の花瓶だ。
並河靖之《七宝四季花鳥図花瓶》明治32年(1899)
高島屋呉服店《閑庭鳴鶴・九重ノ庭之図刺繍屏風》昭和3年(1928)
高島屋呉服店《閑庭鳴鶴・九重ノ庭之図刺繍屏風》(部分)昭和3年(1928)
同展は細密な描写の作品が多いので、単眼鏡を持っている場合はぜひ持参することをおすすめする。なお、現在、皇居三の丸尚蔵館は、鑑賞環境保持等のためオンラインによる日時指定制を取っている。平日の午後は比較的余裕があるそうなので、よきタイミングをみて足を運んでみよう。
取材・文・撮影:浦島茂世
<開催情報>
皇居三の丸尚蔵館 開館記念展『皇室のみやび―受け継ぐ美―』
第4期:「三の丸尚蔵館の名品」