2020年2月27日 12:00
「白井光子&ハルトムート・ヘル リート・デュオ」詩と音楽の究極の融合を堪能する
(C)大窪道治
「ドイツリート」と呼ばれるドイツ語の歌曲と他の言語による歌曲との違いは、詩の比重の違いであるとよく言われる。詩の持つ意味合いを音楽との融合によって極めた芸術作品である「ドイツリート」は、その深みが求められるが故に歌い手を選ぶのだろう。そしてその歌い手に寄り添うピアニストの高い技術があってこそ、「ドイツリート」はより一層の輝きを放つのだ。
白井光子と(メゾソプラノ)とハルトムート・ヘル(ピアノ)によるデュオこそが、まさに理想的なリート・デュオであることは、すでに世界中の音楽ファンが認めている。50年近くに及ぶ長いキャリアの中で培われてきた2人の“技”が描き出す音楽の奥深さは何者にも代えがたい。
今回の来日公演では、ドイツリートの代名詞と言えそうなシューベルトの歌曲の数々を始め、マーラーの「大地の歌」から第6楽章「告別」が披露されるのも嬉しい限り。詩の持つ意味を考えながら美しい音楽に浸る時間を楽しみたい。
●公演概要
3月4日(水)第一生命ホール「白井光子&ハルトムート・ヘルリート・デュオ」
●白井光子 Shirai Mitsuko (メゾ・ソプラノ)
(C)Masanori_Hotta
1982年シューマンの生地から栄誉あるシューマン賞を受賞。