2022年1月26日 07:00
有村架純が『前科者』に込めた想い「向き合うことさえ諦めなければ、人は変われる」
想像することは大事だなと思いました。
──それこそ阿川にも、実は抱えている過去がありますし。
有村人は誰しも何かしらの傷は負っていますが、ずっとそのことを考えながら生きているわけじゃない。忘れる瞬間もあると思うんです。工藤さんと向き合っているときの佳代は、きっと過去の傷を忘れているんじゃないかという気がしていて。でも、ふとしたときに過去へと引き戻される感覚はお芝居をしながらもありましたし、それが佳代の大事な一部分でもあるのかなと感じながら演じていました。
──なぜ阿川はあそこまで工藤に対して献身的になれたんでしょう?
有村誰かを助けたいという思いで、佳代は保護司の仕事を始めたわけではないと思うんです。自分の存在意義をずっと探し続ける中、誰かを助けることでそれを見つけようとした。
きっと、純粋な気持ちではなかったと思うんですよね。鬱屈を抱えたまま、何かを欲しながら、乾いた気持ちに突き動かされてきた。でも、工藤さんに出会って初めて、何かを感じ、人のために動きたいと思うようになったんだと思います。
森田さんが相手だからこその相乗効果が生まれた
──工藤役の森田さんとの共演はいかがでしたか?
有村いい意味でオーラがなく、背中が丸い感じの佇まいを撮影現場では保っていらっしゃいました。