2021年6月21日 17:00
『The Last 5 Years』演出・小林香「若いふたりが、自分に嘘をつくことなく一生懸命に生きている物語」
と明かす。
3組のペアを演出するにあたっては、本読みの段階からペアごとに時間を区切って稽古を進めている。
「それはコロナ対策とは関係なく、もともとそうしようと考えていました。別のペアを意識することなく、俳優自身から何が出てくるのかを楽しみにしているので。他の人を見てしまうと必ず影響されてしまうし、自分がこうしたいと思っていても、他の人がやっているのを見たら、あえて避けようとしてしまうかもしれません。演出をつけながら、役者が出してきたものをどんどん拾っていくような形にしていけば、結果として同じシーンもまるで違うニュアンスがついてきたりします。実際、3組別々に稽古することで、ひとつの戯曲の捉え方がこんなにも豊かでいろんな捉え方があるのかと逆に学ばせてもらっています」
同じ戯曲、同じセリフなのに、俳優ごとに表現の仕方が全く異なったものになる。小林は「ラブストーリーであるということがそうさせているのではないか?」と指摘する。
「みなさん、自分自身の引き出しから役の血や骨、肉を作り上げていくんですけど、パーソナルな恋愛体験があって、そこから役に引っ張ってくるのですごく面白いですよ。稽古場で過去の恋愛話をディープに披露してくれる役者さんもいて……(笑)。