2021年6月14日 23:00
宮本浩次、溢れる衝動で希望の歌を轟かす 有観客&配信で実現したバースデー公演『宮本浩次縦横無尽』レポート
は、TV番組『The Covers』で披露したスペシャルアレンジを踏襲する形で披露された。バンマス小林武史とのピアノとボーカルの応酬からバンドサウンドへと展開し、ブラックミュージックのフィール満載で突き刺さる歌声にゾクゾクする。素晴らしいダンスチューンだった。
新たに魅力をみせた『ROMANCE』コーナー
「良い曲たくさん用意してきましたので、リラックスして、心熱くして楽しんでください」と告げたあと、ステージにテーブルとチェアが用意されると“『ROMANCE』コーナー”に入っていく。ジャジーなバンドアンサンブルでスタイリッシュにアップデートされた「二人でお酒を」(梓みちよのカヴァー)は、宮本の少ししゃがれた歌声が、乾いた大人の別れをシアトリカルに描く。70年代、良き時代の歌謡曲のニュアンスはしっかりと引き継ぎながら、楽曲の魅力を再発見させるカヴァーであり、また宮本の歌唱の新たな魅力に出会う楽曲でもあった。続く「化粧」(中島みゆきのカヴァー)では、もうその歌の世界から抜け出すことはできなかった。この歌の持つ叙情。
打ちひしがれる女の情念。これをライブで、ここまで濃密に感じさせることができることに圧倒された。