2021年7月20日 19:00
独創的な肖像画ギャラリーを展示 カルティエ現代美術財団が主催する「横尾忠則:The Artists」展、いよいよ開催
「変化は創造である」と名言している彼にとって、キャンバスは無限の実験空間。新たな表現方法を展開できる場であり、グラフィックとイメージとの戯れの場でもあるのだ。
世界観を一層深く伝えるのが、 映像作家の岡本憲昭が本展のために制作した映像だ。東京都内にあるアトリエで横尾は、カルティエ現代美術財団との関係や21_21DESIGN SIGHTの創立者でもある三宅一生との関係について心のままに語っている。
本展のポスターも横尾によって制作された。三宅一生やサラ・ジー、マーク・ニューソン、ロン・ミュエクらの肖像画の宇宙が影として描かれ、謎めく横尾の自画像をとり囲む。そこでは描かれる対象であるアーティストのみならず、横尾本人に関してもまた、肖像画の制作を通して語られるのだということが示唆されているのだ。
本シリーズの制作を通して画家が改めて見いだすのは、自身の絵画のエッセンスそのものであり「私は発見するために描く。
私はいまだ新たな自分自身を探している」と語る創造の原動力。カルティエ現代美術財団という「大きなオーケストラ」の結成を示すものであると同時に、肖像画によって横尾忠則が描きだす世界、それは、アーティストとの関係こそが活動において何よりも重要であるとする当財団の精神に他ならない。