2021年12月24日 12:00
「喜びを思い出して、僕らと共にハッピーになって」『SINGIN' IN THE RAIN ~雨に唄えば~』アダム・クーパー インタビュー
その分、シーンをそれぞれ細かく確認し、役もしっかりと見直すことができました。
――アダムさんが演じるのは、スター俳優のドン。ドンに何か変化はありますか。
僕は再演するたびに新しい人物像を作ろうと心がけています。今回、ドンはみんなに好かれるキャラクターを目指しました。またキャシーと初めて出会うシーンでは、今Me Too運動が世界的に起こっている状況なので、対決感を出さずに心あるやりとりになるように変えました。シャーロット・グーチが演じるヒロインのキャシー役を見て、解釈を変えたところもあります。ひとつ言えるのは、今までよりもドンの脆さが増していること。
それはシャーロットとの稽古がきっかけです。公園のベンチでドンとキャシーと会話するシーンで、キャシーはドンが自分がなりたい俳優にはなれていない、自分に自信がない、そんな弱さを見抜くんです。それは今までにない新鮮な解釈で、そこからドンの脆さが生まれました。
新しい生活方式を築かなければならない今の状況は、時代の転換期を描いた本作とも重なる
――コロナ禍で稽古の進め方も変わったのではないかと推察します。何か大変だったことはありますか。
かなり違いましたね。