4年ぶりの再演『天保十二年のシェイクスピア』 熱い思いの溢れる公開稽古&囲み会見レポート
(瀬奈)等々、口々に熱い思いを話した。
また浦井の三世次の魅力を問われた藤田は「今の浦井健治さんのすべてが魅力的」と言い、「浦井さんの三世次は共感性が高く、(悪役ではあるが)自分の中にも三世次という人物がいるかもしれないと思わせてくださいました。同時に、三世次は絶対に生き続けてはいけない人物だなとも。このふたつは相反するようで、実は背中合わせのイコールだと思う。佐渡の三世次はこの世界にイエスとノーを同時に突き付けているのではないかなと感じます。そんな気づきを浦井さんの三世次は与えてくれています。人の暗部を光で抉るような、痛烈な人物が誕生しつつある。一言で言うと“好き”です」とユーモアを交えつつ表現。
演出家の絶賛を受けた浦井は最後に「木場さんが、三世次が亡くなるシーンでも井上ひさしさんはギャグをお書きになった、そこをちゃんと伝えないと泣いちゃうよとおっしゃってくれた。筆に一生を捧げた井上ひさしさんの思いを受け取らせていただいています。演劇は地続きであり、時代を映す鏡であり、時代を再生する装置。人から人に繋がり、お客さまにも伝わっていくものだなと感じていますし、亡くなった方もずっとそこにいて、忘れないでいることができる。