くらし情報『リサーチ10年 『最後の決闘裁判』の裏にある徹底的な歴史考証、原作者エリック・ジェイガーが語る』

2021年10月15日 07:00

リサーチ10年 『最後の決闘裁判』の裏にある徹底的な歴史考証、原作者エリック・ジェイガーが語る

刀剣による接近戦とはどういうことなのか、その感覚をよりよく知るためにフェンシングのレッスンも受けました」と、徹底的な裏付けも行ったことも明かす。

映画化への流れは、エグゼクティブ・プロデューサーでもあるマット・デイモンが、この伝説と化した決闘裁判を詳細に描いた原作に注目したことから始まるが、ジェイガーはコンサルタントというポジションで脚本にも参加。「脚本家たちのために、系図学に関するものから、婚礼における慣習や葬儀における儀式、軍事的な専門用語など多岐にわたり調査しました」と、映画のためにより一層丹念に調べ上げたという。

さらに「初期のドラフトでは、決闘の前に行われるふたりの対戦者によって誓われる正式な宣誓が抜け落ちていたのですが、中世の世界では、宣誓というものは司法的な手続きのひとつで、その決闘の最も大事な部分であると指摘しました。例えば、結婚で誓いの言葉を宣誓する、主人に対して臣下であることを宣言する、市場で取引をするのも本質的には宣誓事なのです」この進言に代表されるように、ジェイガーが参加したことでより史実に忠実なリアリティと信頼性が保証されたことは言うまでもない。

実際決闘によって決着はついているものの、カルージュとル・グリのこの決闘については諸説あり、マルグリットを襲ったのはル・グリではなく別の人物であったのではないか等、さまざまな説が存在する。

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