2021年10月15日 07:00
リサーチ10年 『最後の決闘裁判』の裏にある徹底的な歴史考証、原作者エリック・ジェイガーが語る
事実と矛盾が生じている部分も多く、当時の人々は、カルージュとル・グリのどちらが裁かれるべきかをめぐり真っ二つに分かれたという。ノルマンディー地方の歴史の大事な一部として、決闘を再現するお祭りまであるほど、今も人々を魅了する実話ミステリーなのである。
これまでも、女性が働きにくかった時代に弁護士となり、女性の権利を訴え続けアメリカの最高裁判事を務めたルース・ギンズバーグ氏の半生に迫る『ビリーブ 未来への大逆転』や、黒人への差別が根強い1980年代の米アラバマ州で冤罪の死刑囚たちのために奮闘する弁護士ブライアン・スティーブンソンの実話を描いた『黒い司法 0%からの奇跡』など、それぞれの時代において実際に歴史を動かす役目を担ってきた事象は、史実の見応えと人々を奮い立たせるだけの力を与えてきた。女性が声を上げることのできなかった時代に立ち上がり、裁判で闘うことを決断した勇気ある女性の姿は、14世紀にしていわば女性の地位の転換を示したと言えるのではないだろうか。実話裁判映画としても見逃せない極上の実話ミステリー、この秋は本作で歴史の証人となってほしい。
『最後の決闘裁判』
10月15日(金)より公開
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