2021年6月9日 18:00
『新・晴れた日 篠山紀信』東京都写真美術館にて開催中 60年にわたる足跡を俯瞰する初めての展覧会
■第一部 1960-70年代
展示風景より
広い海原に、ぽつんと浮かぶ白いヨット。この写真は、海洋冒険家の堀江健一が単独無寄港世界一周に挑戦し、まもなく日本に到着するときを撮影した写真だ。この写真を撮影するため、篠山は東京から朝日新聞大阪本社まで赴き、朝日新聞社のセスナで数時間かけて250km離れた海上まで移動したという。
「晴れた日」シリーズより《堀江謙一潮岬沖240キロを航行中の「マーメイドIII」》 1974年)
約9年間、表紙を担当した《明星》は、8☓10と呼ばれる大判カメラとフィルムで撮影されたもの。当時のスターたちのきらめきが写真のなかに封じ込められているようだ。
『明星』表紙1972年〜81年
「家」のシリーズは実際に人が暮らす日本全国の家を約4年かけて撮影したもの。人が長く暮らすことで生まれた傷やたわみ、においまでも感じさせる。このシリーズで篠山は76年の「ヴェネツィア・ビエンナーレ」日本館の代表作家に選ばれている。
「家」1972~75年
■第二部 1980-2010年代
1980年代以降、篠山の作品はさらに自由度が増していく。
「TOKYO NUDE」