2021年10月11日 19:00
明日海りおが軽やかに、性別を飛び越え“才能のある一個人”としてのモーツァルトにーミュージカル『マドモアゼル・モーツァルト』開幕
性別など関係のない“才能のある一個人”として、自由に羽ばたく姿は、まばゆい。白を基調とした舞台セットに、リフトが多用された浮遊感あるダンスも、彼女のどこまでも自由な精神世界を象徴しているようだ。
モーツァルトが女性であることに狂わされていくのはむしろ周りの人間たちだ。モーツァルトの才能に嫉妬し、女性の姿でモーツァルトの従姉妹と偽るエリーザに恋をする宮廷作曲家サリエリは平方元基。
ミュージカル『マドモアゼル・モーツァルト』よりサリエリ:平方元基(左)モーツァルト/エリーザ:明日海りお(右)
こちらも才能との葛藤という心理も丁寧に描きつつ、切ない恋心にキュンとさせてくれるのがさすが。この時代のコスチュームが似合う美しい立ち姿も良い。
ミュージカル『マドモアゼル・モーツァルト』よりサリエリ:平方元基
夫が女性であることを知り傷つき、しかしやがてエリーザの理解者になっていくコンスタンツェは、宝塚時代に明日海とトップコンビを組んでいた華優希。“悪妻”とも言われるコンスタンツェだが本作での彼女は純真な少女の姿から始まる。華の持つ可愛らしさが役とマッチし、またその芯の強さが作品をしっかりと支えている。