100面以上の障壁画を一堂に展示 開創1150年記念 特別展『旧嵯峨御所 大覚寺』東京国立博物館で
作の《五大明王像》が、5体そろって初めて東京にお出ましになるなど、密教美術の名品が公開される一方、大覚寺中興の祖である後宇多法皇をはじめとして、同寺にゆかりの深い歴代天皇の直筆の書の紹介もある。
また今回話題となるのは、清和源氏に代々継承された重要文化財の「兄弟刀」がそろって出品されること。大覚寺に伝わる「薄緑〈膝丸〉」の伝承をもつ太刀と、京都・北野天満宮に伝わる「鬼切丸〈髭切〉」の伝承をもつ太刀が、京都以外では初めて同一ケース内に並んで展示されるのだ。平安時代中期に清和源氏の祖である源経基の嫡男・源満仲が勅宣により天下守護の太刀を求め、異国からきた刀工が八幡神の加護を受けてつくりあげたと伝えられるこの兄弟刀は、所持者を勝利に導く存在。「薄緑〈膝丸〉」は、源満仲から頼光、義経らに、また「鬼切丸〈髭切〉」は満仲から頼朝らに継承されたという。大覚寺が離宮から寺院になった際に菅原道真が尽力したことかから、大覚寺と北野天満宮との間に長年にわたる交流があり、今回、この兄弟刀の展示が特別に実現したのだという。

重要文化財太刀銘 □忠(名物 薄緑〈膝丸〉)鎌倉時代・13世紀京都・大覚寺蔵
<開催概要>
開創1150年記念 特別展『旧嵯峨御所 大覚寺 -百花繚乱 御所ゆかりの絵画-』
会期:2025年1月21日(火)