くらし情報『三菱一号館美術館「再開館記念『不在』―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル」レポート 「不在」というテーマのもと二人の作品世界が響きあう』

三菱一号館美術館「再開館記念『不在』―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル」レポート 「不在」というテーマのもと二人の作品世界が響きあう

今回の出品作は、近年亡くなった母や父、猫や自身の死にまつわる写真とテキスト、オブジェで構成された《自伝》や、フェルメールらの所蔵作品が盗難にあったアメリカのイザベラ・スチュアート・ガードナー美術館で、関係者や来館者にインタビューした《あなたには何が見えますか》、2023年にパリのピカソ美術館でカルが構想したピカソ「不在」の展覧会に関わる写真作品《監禁されたピカソ》、撮影理由をあらかじめテキストで読んだ後に写真を見ることになる《なぜなら》などのシリーズ。また今回は、カルが2019年に展覧会準備で来日した際に着想を得て制作し、三菱一号館美術館に寄贈した作品も初公開される。テーマは、フランス象徴主義の巨匠ルドンが花束を描いた大作《グラン・ブーケ(大きな花束)》。同館を代表するこの作品は、パステル画ゆえに展示期間が限られており、通常は展示室内の壁の裏側に密かに保管されているのだとか。この「不在」に着想を得たカルは、美術館の関係者にインタビューを行い、その言葉と《グラン・ブーケ》のイメージを合わせて作品とした。

カルの作品は、コンセプトとテキストが大きな意味をもつ。テキスト自体はほぼフランス語だが、壁面のパネルと室内に置かれたシートで訳文を読めば、作品をより深く味わうことができる。
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