2021年10月24日 10:00
野田秀樹インタビュー「演劇観が揺らぐくらいのインパクトがある」 NODA・MAP番外公演『THE BEE』9年ぶりの日本語版上演に向けて
そういうほとんど演出の作業に近いことをしないといけなくて、サダヲはそれが出来るんです。とくに、高いテンションの芝居が出来るかどうかは天性的なものだと思うんですよね。高いテンションって人間を見苦しくさせたりして、見ていて引いちゃうことが多いけれど、サダヲの場合は高いテンションの時が圧倒的に面白くて、人を引きつける。とてもいいですよ。
巧者揃いの新キャスト
――脱獄囚“小古呂(おごろ)”の妻を演じる長澤まさみさんは、NODA・MAP初参加になりますね。
そうですね。ワークショップに来てもらって、その時にとてもいいなと思ったのと、ずいぶん前に宮沢りえさんから「すごくいい女優さんなのよ」と紹介されたことがあったんですよ。もちろんいい女優さんなのは知っていたけど、信頼する役者さんが紹介してくれる役者さんは、やっぱりいい人が多い。
そういう役者さんが「ダメ」っていう人はやっぱりダメなことが多いし。(一同笑)
ワークショップに来て、たたずまいとか、思い切りとか、声にどんな色を持っているか……とか生で聞かないと、それは映像ではわかりませんからね。もう2年くらい前にオファーしていたんです。それから2年で、長澤さんの女優さんとしての評価がさらに上がったので嬉しかったですね。